防災・安全

防火地域・準防火地域の窓は網入り必須?内窓リフォームを解説

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「自宅が防火地域だけれど、窓はすべて網入りガラスにしなければいけない?」

「準防火地域なら網なしの透明な窓にはできない?」

「内窓を追加するときも防火ガラスが必要?」

防火地域・準防火地域で窓リフォームを検討すると、このような疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。

結論からいうと、防火地域・準防火地域だからといって、すべての窓が必ず網入りガラスになるわけではありません。

建築基準法では、防火地域・準防火地域内の建築物について、外壁の開口部のうち「延焼のおそれのある部分」などに、一定の性能を満たす防火設備を設けることが求められます。重要なのは「網入りガラスそのもの」ではなく、窓全体として必要な防火性能を満たしているかです。

現在では網入りガラスだけでなく、網目のない耐熱強化ガラスを使用した防火窓も販売されています。

一方、既存窓の室内側に付ける内窓は、外窓の防火性能を自動的に代替するものではありません。

この記事では、防火地域・準防火地域の窓に必要な条件、網なしガラスが使えるケース、内窓リフォームの考え方、費用や業者選びまで分かりやすく解説します。

疑問 基本的な考え方
防火地域なら全部網入り? 必ずしもそうではない
準防火地域なら普通の窓でよい? 窓の位置・建物条件による
網なし防火窓はある? ある
内窓も防火設備にする? 外窓との関係を確認する
網入りガラスだけなら防火設備? 窓全体の仕様確認が必要
既存外窓が古い 防火性能・認定仕様を専門業者へ確認

防火地域・準防火地域なら窓はすべて網入りガラス?

いいえ。

「防火地域=すべての窓が網入りガラス」

という理解は正確ではありません。

建築基準法では、防火地域または準防火地域内にある建築物について、外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に防火設備を設けることなどが求められています。

つまり、確認する順序は、

  1. 建物が防火地域・準防火地域にあるか

  2. その窓が「延焼のおそれのある部分」に該当するか

  3. どの防火性能が求められるか

  4. 使用する窓がその仕様を満たしているか

です。

単純に、

「地域指定されているから網入り」

と決めるものではありません。

「延焼のおそれのある部分」とは?

建築基準法でいう「延焼のおそれのある部分」とは、隣接地や道路などで火災が起きた場合に、建物へ延焼する危険を考慮する範囲です。

国土交通省資料では、代表的な考え方として、隣地境界線や道路中心線などから、

  • 1階:3m以内

  • 2階以上:5m以内

の範囲などが示されています。

ただし、

  • 隣地の状況

  • 道路

  • 公園・川・空地

  • 建物配置

  • 建物規模

などによって扱いが変わる場合があります。

自宅の窓が該当するか分からない場合は、施工会社・建築士・自治体の建築指導担当などへ確認してください。

網入りガラスでなくても防火窓にできる

以前は、

防火窓=網入りガラス

というイメージが非常に強くありました。

しかし現在は、それだけではありません。

国土交通省は2019年、従来の網入りガラスに加えて、耐熱強化ガラスや耐熱結晶化ガラスなどを使用した仕様も防火設備として位置付けています。

実際、YKK APでは防火地域・準防火地域で使用できる「耐熱強化Low-E複層ガラス」を展開しており、網のない透明な防火ガラスを選択できます。

そのため、

「準防火地域だから景色が全部網目越しになる」

とは限りません。

準防火地域の窓を「網なし」にできる?

条件を満たす防火設備を選べば可能です。

例えばYKK APでは、耐熱強化ガラスを使用し、防火地域・準防火地域に対応した網なし透明ガラスを用意しています。

LIXILにも「TW防火戸」など、防火地域・準防火地域に対応する国土交通大臣認定防火設備があります。

ただし、

普通の透明ガラスを入れればよい

という意味ではありません。

ガラスだけでなく、

  • サッシ

  • ガラス

  • 金物

  • 寸法

  • 開閉方式

  • 施工方法

などを含めた認定・仕様条件を満たす必要があります。

したがって、「網なしにしたい」ときは、

「網なしの大臣認定防火窓を希望しています」

と施工会社へ伝えると話が早くなります。

網入りガラスだけ交換すれば防火基準を満たせる?

ここも注意が必要です。

防火設備は、単純にガラスだけを見て判断するものではありません。

国土交通省では、防火設備について、告示で定めた構造方法を用いるもの、または国土交通大臣の認定を受けたものとしています。

つまり、

古いサッシ
+
新しい網入りガラス

に交換しただけで、必ず現在要求される防火設備になるとは限りません。

外窓リフォームをする場合は、

窓一式として防火設備の仕様を満たしているか

を確認してください。

防火地域で内窓を付ける場合はどうなる?

ここが「窓リノベの極意」で特に重要なポイントです。

内窓は、既存の外窓を撤去せず、室内側へもう一つ窓を設置するリフォームです。

LIXILも「インプラス」について、今ある窓の室内側へ設置する樹脂製の内窓と説明しています。

したがって、防火地域・準防火地域で内窓を付ける場合は、まず既存の外窓がどのような防火設備になっているかを確認することが重要です。

既存外窓が適切な防火設備の場合

既存外窓が必要な防火性能を満たしている場合、室内側に追加する内窓については、断熱・防音などの目的から仕様を検討できるケースがあります。

ただし、

  • 建物

  • 窓の位置

  • 既存防火設備の認定

  • マンション管理規約

などによって状況が異なります。

施工会社へ現地確認を依頼してください。

既存外窓が防火基準を満たしていない疑いがある場合

このケースでは、

「内窓に網入りガラスを入れれば外窓の不適合が解消する」

とは考えない方が安全です。

法令上確認されるのは外壁開口部に設ける防火設備です。

単に室内側へ別のガラスを追加するだけで、既存外窓を含む開口部全体が認定された防火設備になるとは限りません。

まず既存窓の仕様を調べ、必要であれば防火対応の外窓への交換を含めて専門業者へ相談してください。

「内窓+網入りガラス」だから防火窓になるとは限らない

旧記事では誤解されやすかったため、ここは明確にしておきます。

網入りガラスには火災時の脱落を抑える役割などがありますが、

網入りガラスを使用している=窓全体が自動的に防火設備

ではありません。

反対に、

網がない=防火設備ではない

とも限りません。

現在は耐熱強化ガラスを採用した、網なしの防火窓もあります。

大切なのは「網があるか」ではなく、

その窓一式が必要な防火仕様として認められているか

です。

防火地域・準防火地域の窓リフォームで選べる方法

既存の防火窓をそのまま残して内窓を付ける

既存外窓が適切な防火設備で、断熱・防音性能だけを高めたい場合に検討しやすい方法です。

外窓を撤去しないため、工事規模も比較的小さくなります。

防火仕様の外窓へ交換する

既存窓が古い、劣化している、断熱性も大幅に改善したい場合は、防火対応の外窓交換を検討します。

この場合は、

  • 防火設備

  • 断熱性能

  • カバー工法の可否

  • 建物構造

をセットで確認します。

網なし防火窓へ変更する

眺望を重視する場合は、耐熱強化ガラスなどを用いた防火窓も候補です。

「網入りガラスの格子が気になる」という方には有力な選択肢です。

防火地域の窓リフォームは普通の窓より高い?

一般的には、防火対応製品は通常仕様より選択肢が限定され、価格が高くなるケースがあります。

ただし、

防火窓なら一律○万円高い

とは言えません。

費用は、

  • 窓サイズ

  • 引違い・FIX・すべり出しなどの種類

  • ガラス性能

  • 防火仕様

  • 外窓交換か内窓追加か

  • カバー工法か

  • 足場の有無

などによって大きく変わります。

そのため見積もりでは、

通常仕様:○円
防火仕様:○円

と分けてもらうと差額が分かりやすくなります。

網入りガラスと網なし防火ガラスはどちらが高い?

製品・サイズによって異なるため一概には言えません。

網なしの耐熱強化防火ガラスは、通常のフロートガラスとは異なる特殊仕様になるため、価格だけで決めるのはおすすめしません。

比較するときは、

  • 防火性能

  • 断熱性能

  • Low-E仕様

  • 視界

  • 日射

  • 製品保証

  • 将来の交換費用

まで確認してください。

準防火地域なら内窓だけの工事でも確認申請が必要?

「準防火地域だから内窓を1枚付けるだけでも必ず建築確認申請が必要」という意味ではありません。

建築確認が必要になるかどうかは、

  • 建物構造

  • 工事規模

  • 工事内容

などによって判断されます。

2025年4月の建築基準法改正後は木造戸建住宅の大規模な修繕・模様替えなどについて確認申請の範囲が変わっていますが、単純な内窓追加と大規模改修を同列には扱えません。

不安な場合は施工業者や自治体へ確認してください。

防火地域・準防火地域で先進的窓リノベ2026は使える?

防火地域・準防火地域にあるという理由だけで、先進的窓リノベ2026の対象外になるわけではありません。

内窓や外窓交換について、2026年事業の登録製品・性能・工事条件などを満たせば、補助対象になる可能性があります。

ただし、防火性能を満たすことと、補助金の断熱性能基準を満たすことは別です。

つまり、

防火基準を満たす
+
窓リノベ2026の対象性能を満たす

両方を確認する必要があります。

見積もり時には、

「防火仕様で、なおかつ先進的窓リノベ2026対象の構成にできますか?」

と聞くことをおすすめします。

マンションの防火窓は勝手に交換しない

マンションではさらに注意が必要です。

外窓やサッシは共用部分として扱われることが一般的で、所有者が自由に交換できない場合があります。

また、防火設備として建物全体の認定・仕様に関係している可能性があります。

そのため、

「網入りが嫌だから普通の透明ガラスへ交換する」

と自己判断するのは避けてください。

管理規約と管理組合への確認が必要です。

一方、室内側へ設置する内窓については、外窓交換とは扱いが異なる場合があります。

関連記事:マンション内窓に管理組合の許可は必要?

防火窓のリフォーム前に確認したい5項目

1.防火地域か準防火地域か

自治体の都市計画情報などで確認します。

2.窓が延焼のおそれのある部分か

すべての窓が同じ扱いとは限りません。

3.既存窓は何の防火仕様か

サッシのラベル・品番・建築図面などを確認します。

4.交換後の窓が認定仕様か

ガラスだけではなく窓一式で確認します。

5.補助金も利用するか

防火性能と2026年の断熱性能基準を両方確認します。

見積もり時に施工業者へ聞く質問

防火地域・準防火地域の窓リフォームでは、次の質問をしておくと安心です。

「この窓は延焼のおそれのある部分ですか?」

「現在の外窓は防火設備になっていますか?」

「網なしの防火窓へ変更できますか?」

「この製品の大臣認定・防火仕様はどれですか?」

「内窓だけ追加しても現在の防火性能に問題ありませんか?」

「先進的窓リノベ2026にも対応できますか?」

「通常仕様と防火仕様の差額はいくらですか?」

ここまで確認すると、単純な価格比較より見積もりの精度が上がります。

よくある質問

防火地域なら必ず網入りガラスですか?

必ずしもそうではありません。

現在は耐熱強化ガラスなどを使った、網なし透明タイプの防火窓もあります。

準防火地域なら網なしの窓にできますか?

必要な防火性能を満たす認定製品であれば、網なしの選択肢があります。

普通の透明ガラスへ自由に交換できるという意味ではありません。

網入りガラスなら防火基準を満たしますか?

ガラスだけでは判断できません。

サッシなどを含めた窓全体として、告示仕様または大臣認定仕様などを満たしているか確認が必要です。

防火地域で内窓を付けても大丈夫ですか?

内窓自体は既存外窓の室内側に追加するものです。

ただし既存外窓の防火性能や建物条件によって判断が変わるため、施工会社へ確認してください。

内窓に網入りガラスを入れれば古い外窓も防火仕様になりますか?

一概には言えません。

内窓へ網入りガラスを追加しただけで、既存外窓を含む開口部全体が防火設備として認められるとは限りません。

外窓の仕様を専門業者へ確認してください。

防火窓でもLow-Eガラスは選べますか?

製品によって選択できます。

YKK APには防火地域・準防火地域で使用できる網入りLow-E複層ガラスや、網なしの耐熱強化Low-E複層ガラスがあります。

まとめ|「網入りか」ではなく窓全体の防火性能を確認する

防火地域・準防火地域の窓について、最も重要なのは、

「網入りガラスかどうか」だけで判断しないこと

です。

防火地域・準防火地域では、建物の条件や窓の位置に応じて、外壁開口部に必要な防火性能が定められています。

そして現在では、

  • 網入りガラス

  • 耐熱強化ガラス

  • 網なし透明防火ガラス

など複数の選択肢があります。

一方で、普通の透明ガラスへ自由に交換できるわけではありません。

また、内窓を追加する場合も、

「内窓に網入りガラスを入れれば防火対策完了」

とは考えず、まず既存外窓が必要な防火設備として適切かを確認してください。

リフォームを検討するときは、

防火地域・準防火地域の規制
既存外窓の仕様
内窓の目的
網なし防火窓の可否
補助金対象性能

まで一度に確認できる窓専門業者へ相談するのがおすすめです。

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